


陶器、紙、蜜鑞
人に土地にエネルギーを与え、様々なものを結び付ける力を持つ「アルガン・オイル」は、私達にも新しい試みと出会いを与えてくれました。
アルガン・クリームは、クリームもパッケージも、既に開設準備のお知らせをいたしました、タイ工房にて企画・生産することにしたのです。既に、ガスールのパッキング等の生産は仮工場でスタートしていますが、タイ工房から発信する第一号は「アルガン・クリーム」となりました。新工房も無事完成し、スタッフ達が、クリーム作りを始めています。
このクリームは、アルガン・オイルの素晴らしいスキンケア効果を生かしながらも、肌のデリケートな方にも使っていただけるように、シンプルなレシピにすることにしました。
シンプルにするならば、オイルだけでも良いのですが、アルガンオイルオイルだけでは、早く肌に吸収されてしまうため、その使用感を長く楽しむ事ができません。そこで、ビーワックスをベースにクリームにする事で、使用感を持続させる事にし、タイの数ある自然素材のなかからクリームベースとしてラムヤイの香りがするビーワックスを選びました。
蓋を開けたら、まず、香りを聴いてみて下さい。甘酸っぱさに少しシナモンや安息香にも似た深みのある、フルーツの香りが微かにします。
この香りは、ラムヤイというフルーツの香りです。ラムヤイは、丸い形、でこぼこした厚い皮、その中の白く半透明な瑞々しい果肉など、見た目も味も、ライチに似ている果物ですが、より甘味が強くライチより強い芳香があります。花は、小さく花弁の無い花が房になって咲く、地味なものですが、香りは、果実よりもいっそう豊かに華やかに香ります。暑季のはじめの、花のシーズンのラムヤイ畑は、花の香りでむせ返るようです。この花のシーズンには、受粉のために養蜂が行われ、副産物として蜂蜜や、蜂の巣から作られるミツロウがとれます。この蜂蜜やミツロウにも、果実や花同様ラムヤイの花の甘い香りがします。
香りを楽しんだら、クリームを手にとって下さい。少し固めですから、指先につくのはほんの少しです。でもそれを薄く、優しく馴染ませれば、ふわふわと滑らかな肌の感触をお楽しみいただけるはずです。
そして、パッケージにも、タイならではの工夫を盛り込みました。
まず、容器には、昔、化粧品をそれぞれが手作りしていた頃、あるいは、化粧品が生まれたばかりの頃の、懐かしい鏡台の上をイメージして、陶器を使いました。表面にセラドンのような小さなクラックができる焼きかたをし、フォルムにはイギリスのアンティークの薬瓶やアールデコなどのモダンでありながら懐かしさのある様式を取り入れ、手で作るもののぬくもりのある器をチェンマイ近郊の工房で作ってもらいました。
緩衝材として容器を包む包装紙には、チェンマイで、伝統的に作られている桑(タイ語で、桑は”サ”、桑の紙の事は”カダー・サ”といいます。)の葉の手透きの紙(手透きの紙を作った残りをリサイクルしたもの)を用いて、クリームの優しい使い心地を、形にしたような器づくりを試みています。人が手をかけて物作りをする懐かしく伝統的な世界と、豊かな自然の中に人が埋もれるようにして生きる、タイだからこそできた、やさしい手触りと穏やかで静かな気配も楽しんでいただけるものになったのではないでしょうか。
工房の開設、手作りのため容器の修正に時間がかかるなど、様々な事情により、皆様には、大変永らくお待たせしてしまいましたが、きっと、多くの方に喜んでいただけるものになったと思っております。