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モロッコに行ってきました3 ~ナイアード・モロッコ マラケシュ工房

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4月25日から10日間、日本で営業の仕事を担当しているスタッフ
4名がモロッコを訪問してきました。

今回は、その報告の3回目、ナイアード・モロッコの工房がある
マラケシュのレポートです。

マラケシュはモロッコの東西に延びるアトラス山脈の中でも
オートアトラス(大アトラス)とよばれる高く険しい山々の北側に
位置する街です。
北アフリカ最大ともいわれる旧市街(メディナ)の迷路のような
スーク(市場)を歩くと、ここが観光のためだけに存在するのでは
なく、今も人々の生活の中心であることを実感します。
肉や、野菜、スパイスなど、食材を扱う店が集うエリア、服や靴を扱う
エリア、金属製品加工や、漆喰などの職人さんのエリアなど
日常生活に必要な物は何でも揃います。
そんなスークの一角に、ガスールの原石を見つけました。

モロッコでも、タブレット状の既製品のガスールがスークやお店で
売られていますが、現在でもガスールの原石がこのように量り売り
されており、家庭で使うガスールを自作する主婦もいます。

スークガスール原石

写真のような原石は、そのままでは水に溶かすことが出来ないので
原石を一旦、天日で乾燥させることで、水に溶ける状態にします。
これに、水を加えてペースト状にしたものを、再びテラスなどで
天日乾燥させるのですが、こうすることで水に溶かしやすく、保存や
持ち運びがしやすいタブレットの状態のガスールを作ることが出来ます。

これだけでも、手間暇がかかる作業なのですが、家庭ではさらに
ドライローズ、ドライハーブ、オレンジフラワーの蒸留水などを加え
趣向を凝らした、オリジナルレシピのガスールが作られるようです。

今回、家庭でのガスール作りを実際に体験することは出来なかったの
ですが、スタッフやガスール鉱山の女性からは、どんなに手間暇が
かかり、他に便利な洗浄料があっても、モロッコの女性にとって
ガスールがいかに大事なものなのかを聞くことができました。
家庭のレシピは母から娘へ伝えられます。こうしてガスールを作り
伝え、使う文化は、人が石鹸を作るようになる以前から、モロッコの
人々の間で大切に受け継がれてきました。

この家庭で作るガスールの考え方は、ナイアード・モロッコの
ガスール作りの基礎にもなっています。
「自分を綺麗にしてくれる大切なものを丁寧につくる。」
この考え方と、工房でのスタッフの品質を守るための工夫により、
モロッコの女性達が大切に受け継いできたガスールを、離れた
日本に暮らしている私達にも紹介することができます。

今回のマラケシュ訪問では、そんなナイアード・モロッコでの
ガスール作りの全てを見て、聞いて、体験してきました。

原石の中の石を取り除く。水で溶いた後も、不純物を網ですくい取る。
フィルターを通す。天日干しのためのテラスを綺麗に掃除する。
シンプルなガスールづくりの工程ですが、一つひとつの地道な作業を
日々積み重ねることが、大切に受け継がれてきた文化を継承していく
ことに繋がっていること、私たちもその一端を担っていることを
実感しました。

ガスールづくり

最小限の道具が整然と揃えられた空間と、ピンと張りつめた空気に
包まれた工房にスタッフの丁寧な作業の音だけがリズムよく
響いていたのがとても印象的でした。

皆さんも、この週末は少し贅沢な使い方ですが、水の代わりに
「朝摘みばら水」で「ガスール」を溶き、少しゆったりとした
気分でパックを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
モロッコの女性が大切にしてきた「ガスール」と美の探究心の
歴史を、垣間見ることができるかもしれません。

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