エンターテイメントなじゅうたん商

マラケッシュのメディナで一番危険できれいな場所といえば、じゅうたん商でしょう。
無造作に積み上げられた、キリムの色彩の洪水。お店は、大体古い立派なお屋敷で、壁や天井のレリーフや、ひんやりとした大理石の床の心地よさは、暑い午後の市場を歩き回った後には、中々、心地よいものです。
いかにもアラビア風の星の形のステンドグラスから降ってくる光の雨を眺めながら、熱いミントテティーをすすって、 ひとしきり、建物のいずまいや、キリムの素朴な美しさに、和んでいられたら。。と思うのですが、お茶を飲んで一息ついた頃に、始まるのです。。

百戦錬磨のじゅうたん商の口上が。。

「さあ!マダム!ムッシュウ!これから、とびきりのじゅうたんをあなた方だけにお見せしましょう!
我が家の当主が長年コレクションしてきた貴重なキリムの数々!
(一体このお屋敷には幾つ”貴重”があるのかしら?)
お代などどうでもいいのです!さあ、まずは、ご覧あれ!
(でも、本当は、これが一番大事。。)」
と口上は始まり、床にキリムが何枚も贅沢に広げられ、分厚く重なっていく。。。
そうして、結局、買わされてしまうのですが、(もちろん、強い意志をもっていれば、買わずにも済むけれど、売り子さんより何より、キリムそのものが、かなりの誘惑物なのです。。)大体ツーリストは、言い値の1/10で買えれば、まあ、良い買い物だそうです。アンティックでなくても、確かに素敵なデザインは多いですし。
でも、たった3人の観客のために、大の大人が何人も大汗をかいてじゅうたんを何枚も広げ、愉快な口上を聞かせ、これは一種の芸に支払う、花代のような気がします。やれやれ。。