ヘルシーなアラビックランチ

アラブの国の料理と言うと、シシカバブやナツメヤシなど、少し乾いた、保存食を中心にした質素な、ストイックな印象を勝手にもっていました。

写真は、ダマスカスで立ち寄った、レストランで食べた、アラブの伝統的な料理。昔のシリアのお屋敷をそのまま改装した場所で、内装もとても美しかったのですが、何より驚いたのが料理でした。


写真左下の赤い色は、塩を混ぜて練った生の子羊肉のミンチ。スパイスが入った、オリーブオイルのソースがかかっています。
手前の乳白色のクリームは、ホムス。サワークリームやヨーグルトと、煮た豆などを裏ごししたものを混ぜたディップ。
ホムスの右斜め上は、色々なハーブとナスとトマトを細かく刻んでいためたもの。
それぞれ薄焼きのパンにはさんでいただきます。 この他に、大きなししとうや、トマトを焼いたもの、若いアーモンドを皮ごと塩漬けにしたもの(梅の塩漬けに似ています。)などが次から次へと出てきます。
どれも、野菜を中心にし、素材本来の味を生かしたさっぱりとした料理です。
そして、必ず出てくるのが、緑と黒のオリーブの塩漬け。それぞれの家でつけるので、個性があって毎回楽しみなもの。
野菜の形も、大きくて、不ぞろいでそれぞれ、しっかりと生き生き育った、瑞々しさにあふれていて、出てくるのを見るだけでも嬉しくなるエネルギーをもっています。
アラビアンナイトの食事風景には、真珠がこぼれだすきゅうりや、果汁がしたたりそうなざくろ、アプリコットなど、ぞくぞくとなまめかしさを感じる程、美味しそうな果物や野菜が登場しますが、それはやはりお話の世界のこと。と思っていたら、実はそれは本当の風景だったのです。
シリアは実は、新鮮な野菜や果物がとても豊かな、農業の盛んな国のです。

街を抜けると、かんがい用の井戸があちこちにあり、スプリングクラーが、畑に水をまいている風景を、よくみかけます。
オリーブや、果樹、野菜などの広い畑が広がります。 4月にはオレンジの畑は花が満開で、あたり一面、少し甘く爽やかな花の香りで一杯になります。地中海に面したラタキアという街などは、町じゅうに、オレンジの花の香りが漂っていることがあります。
また、アレッポは昼間は市内にトラックが入れなくなるので、早朝のまだ薄暗い頃、町にはトラックのエンジンの音やクラクションがあふれます。実は、早朝町に殺到するトラック達は、どれもオレンジや色々や野菜をこぼれんばかりに満載にした食料の運搬車なのです。
こんな風に、あちこちに、豊かなシリアの顔がみえたりします。