ナイアード アルガンオイル~素材~

アルガンの木と実

モロッコの黄金・アルガンオイル

アルガンの木は、学名をArgania spinosaといい、モロッコのみで生育する植物。シアバターで知られる「シアの木」と同じアカテツ科の仲間です。乾燥した厳しい気候の中で育ち、その成長はゆっくりですが、大きくなると木の高さは7~10mにも達します。先端がトゲのように尖った枝に、楕円の葉がつきます。尖状の枝に直接咲く花は花弁が無く小さく目立ちにくいものです。果実は楕円形で、オリーブの実にもよく似ていますが、先端が微かに尖っています。その年の降水量等の気象条件により変化はありますが、毎年5月から8月の間に、実が熟し落果します。この果実の種子の中にある仁の部分から得られるオイルがアルガンオイルです。
 
アルガンオイルはグリセリドが99%を構成しそのグリセリドは、オレイン酸とリノール酸等の不飽和脂肪酸が大半を占めています。しかし、アルガンオイルの素晴らしい使い心地を作り上げているのは、量はわずかでも肌に良い効果を与えるといわれる多様な微量成分です。
主な微量成分はカロチン、キサントフィル、トコフェロール、トリテルペンアルコール、ステロール等。特に、トコフェロール類(ビタミンE)は、オリーブオイルよりも豊富に含まれています。これらの成分から構成されるアルガンオイルは浸透性が高いためなじみが良く、肌をふっくら、みずみずしく整えるのが特徴です。アルガンオイルはそのスキンケア効果の高さと希少性から「モロッコの黄金」と呼ばれています。

アルガンの種を割っている様子

アルガンオイルをつくる

オイルが採れる部分は果実ではなく、種子の中の仁です。乾燥させたアルガンの実の果肉の部分を取り、どんぐりより少し大きめの、厚く硬い殻に包まれた種を1つ1つ石で割って仁を取り出します。
アルガンの種はとても硬く、微妙な力加減ができない機械では仁の部分までつぶしてしまいます。そのため、仁はすべて手作業で取り出さなければならず、大変な手間がかかります。作業に慣れた人でも1日働いて2kgの仁を取り出すのが精いっぱいです。

伝統的なオイルの絞り方

伝統的な手搾りの方法

アルガンオイルはこの仁の部分を圧搾して作られます。写真のような伝統的な製法では、取り出した仁を石臼でペーストにし、そこに水を加え、手で捏ねて搾ります。この製法はとても美しい手仕事ですが、1リットルのオイルを搾るためには10時間ほどかかります。さらに仁の重さの30%弱のオイルしか採れません。
体力も時間もかかる重労働ですが、地域の家庭では家族で消費する食用のアルガンオイルを、今もこのような方法で作っています。

スキンケアに用いるオイル

スキンケアに用いるオイルは、仁を取り出すところまでは手作業で行いますが、搾油は圧搾機を用いて行います。伝統的な石臼を用いた方法のように、水等の不純物が混じることがないため酸化のリスクを抑え、アルガンオイルの品質を向上させることに繋がっています。

「製造」について読む
ページの上部へ