朝摘みばら水~2014年製造レポート~

2014年の薔薇

おかげさまで、朝摘みばら水10周年

今年もまた、朝摘みばら水をご紹介できる季節が到来しました。今年は、製造をはじめてから10周年の年です。この10年で、たくさんの方にご愛用いただだき、息の長い商品となりました。本当にありがとうございます。
 
これからもムゴナの薔薇そのものの香りを大切にお届けしていけるようにスタッフ一同がんばっていきますので、今後もどうぞ宜しくお願いいたします。

薔薇最盛期のムゴナ

雨が少なく、暖かな春

そんな、記念すべきムゴナの春は3月のはじめに雨が降り、昨年のように豊かな雨が薔薇をはじめとする作物を瑞々しく育ててくれると期待が高まりましたが、薔薇が咲き始める4月以降は雨が少なく乾燥し、作物や木々には厳しい春となりました。薔薇の季節が終わった後も8月のはじめまで乾燥が続き、ムゴナを流れる2つの川の水は、村の人が驚くほど少なくなっていたそうです。しかし、8月の中ごろに待ち望んだ雨が降り川にも水が戻ってきました。
雨が少なかったことが厳しくもありましたが、暖かな春が育んだ薔薇は、かわいらしいピンク色で形もよく、最盛期になるにしたがってたくさんの花が咲き、畑を香りで満たしました。温暖な気候は朝摘みばら水の蒸留期間中続き、穏やかな気候の中10年目の製造は順調に進められました。

ナイアード・ムゴナ工房

今年は、ナイアードがムゴナに工房を構えてから4年目の春。ゆっくりと、年々シーズンオフに行われる施工も一段落した今年、工房の庭にアーモンド、レモン、オリーブ、びわの木が植えられました。まだ若く頼りなげな木々も、数年後にはマラケシュ工房の敷地に力強く伸びる木々のように大きくなり、私達を楽しませてくれるでしょう。

工房に集まった薔薇の袋とフセインさん

ムゴナとナイアードを繋ぐフセインさんのこと

賃貸のアパートで始まった朝摘みばら水の蒸留。自社工房への蒸留場所の移転を経て、この10年間ナイアードが薔薇の蒸留を続けてこられたのは、良い薔薇を提供してくれるムゴナの農家の人々の協力があってこそ。そして、私達ナイアードと農家の人々を繋ぎ、長きにわたる関係を築いてこられたのは、ムゴナでの世話人、フセインさんの存在が大きかったと思います。
フセインさんはムゴナで生まれ育ち、薔薇にも詳しく、私達スタッフは薔薇の王様のようだと思っています。薔薇が好きで自らもビジネスを手掛けていますが、ムゴナの薔薇の価値を認め、小さな工房で朝摘みばら水の蒸留を始めた私達ナイアードのことを、当初から面白いと思ってくれていたようです。そして、ムゴナの薔薇そのものの香りを大切に、朝摘みばら水を作りたいと話す私達のことをよく理解してくれています。
フセインさんは、農家から薔薇を買い取り私達に提供する仲買人でもあります。製造を始めた頃、新鮮な薔薇の入った袋から、数日前に摘んだ萎れて茶色くなってしまった薔薇が出てきたり、重量を満たすためか石が中に混ざったりしたものがありました。しかし、フセインさんが私達のリクエストに応えた薔薇を持ってきてくれるように伝え続けてくれたことで、今では契約農家の人々自らナイアードがリクエストしている薔薇の品質を理解し、持ってきてくれるようになりました。
オフシーズンには、ムゴナ工房の管理や補修、翌年の製造に向けた準備を請け負ってくれる等、フセインさんの協力あっての10年でした。

今年初めて蒸留に携わったムゴナ出身のスタッフ、アジズ[左]と、一緒に作業を行うケメル[右]

ナイアード・モロッコの成長

この10年間で、私達ナイアードのスタッフは、良い製品を作るための細かい留意点を1つ1つ克服したり、製造に携わる人数やグループの形を工夫したりと、朝摘みばら水の製造を通し、多くのことを学ぶことができました。小さな仕事を丁寧に行うことで、皆が製造を注意深く集中して行うことの大切さが理解出来、それが出来るようになってきました。
これまでの道のりにスタッフ1人1人の物語があります。初年度から携わるスタッフが、新しく製造に携わるスタッフに、薔薇の選別の方法、蒸留器の火の調整の仕方、タンクの洗い方を教えたり、夜通しの作業を皆が助け合いながら行ったりと、スタッフ同士の連携も強くなりました。
 
そんな、節目にあたる今年の朝摘みばら水は「オレンジの甘い柑橘がふわりと漂った後には、甘さの中に潜むフレッシュで瑞々しい香り。ほのかに残る、薔薇の花らしい優雅な香り」。シンプルで愛らしい香りとなりました。今年ならではの香り、そして、ボトルの中で変化し続け、深みを増していく香りの移ろい、一期一会の香りをお楽しみください。

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