ビーワックスリップクリーム~背景~

ネパールの風景

ネパールという国、暮らしている人々

「世界の屋根」と言われるヒマラヤ山脈に抱かれた国、ネパール。
その国土には、世界最高峰のエベレストをはじめ、標高8,000m級の山々が連なる一方、亜熱帯の平原も存在し、豊かで多彩な自然に囲まれています。
インドやチベット等隣国の文化に影響を受けながら独自の文化を育んだネパールは、多くの民族が暮らす多民族・多言語国家。それぞれの民族ごとに異なる伝統や習慣、信仰を持ち、多様な文化を形成しています。

ダルバール広場(パタン)

ネパール ~美しい中世の都市と伝統建築~

ネパールでは、古くは13~18世紀マッラ王朝時代、王宮や寺院、住居等の建築、金細工・石細工・木細工等あらゆる分野で卓越した技術を持つ文化が発達しました。文化の黄金時代を築いたこの時代に、職人たちの技術も競われるように発達し、そのうちの1つである木工技術は今も、中世を思わせる古都カトマンズの町並みで、その芸術性の高い木彫りの建築に垣間見ることができます。ネパールの木の彫刻は、ネパールの伝統建築としてカトマンズのパタン・バクタプル地域のネワール族により確立しました。

ダルバール広場(パタン)

世界遺産にもなっているバクタプルの町並みは、その昔マッラ王朝の都で、イタリアの古都と並ぶほどの美しい古都と称され、今も魅力的な中世の佇まいが残ります。バクタプルで最盛期を迎えたネワールの木工文化は、今に引き継がれる文化・技術が現代もいき続け、道具・工程はほぼ昔のままといわれます。 彫刻のデザインは、仏教やヒンズー教の神々といった宗教的な象徴のものや伝統的なネワール美術の美しい複雑な細工が施されています。木工技術は王宮・寺院建築を中心に繁栄してきました。多くは硬く堅牢なサールの木が使用されていましたが、高価で希少性が高いため、現在は多様な木材の中のひとつであるシソーの木も人々の間でなじみ深い素材となってきています。現在では木工の仕事も多様化し、建材の一部や家具、調度品等がつくられます。 ネパールで採れるシソーの木は、柔らか過ぎず、適度な固さを持つ材質のため、民家の建材(扉 / 手すり)や仏像、家具等の調度品に使用され、人々の生活の中で親しまれています。

次世代へ繋ぐネパールの伝統技術・クラフトの精神

ヒマラヤ山脈の雄大な自然とその自然に寄添いともに生きてきた人々。
その恵みを生かし、様々な手工芸が発展し人々の手と精神により引き継がれてきました。
ものづくりを愛し、その技術を高めていくことは、それとともに、より高みを目指す粘り強さと精神力が求められます。
一時は、工芸の仕事が減少した時期もありましたが、近年にはヨーロッパからのサポートによる寺院建築等の文化財保護活動が盛んになり、修復等の必要性からその工芸の世界も新たな活気を見せつつあります。
私たちは自然の恵みを分けてもらいながら、その地で育まれた伝統に敬意を払い、また、現代の息吹を製品に映しつつ、素晴らしい文化と技術を次へ繋げていきたいと考えています。
 
長い時代を経て培われた、類まれな技術とその精神が次の世代へ継承されていくことを願って、ネパールの生産者と私たちの取り組みは続きます。

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