ビーワックスリップクリーム ~素材~

ネパールの森の恵みを集めてきました ~ビーワックスリップクリームの素材~

使う素材は3つ。自然の恵みを集めて丁寧に手作りしました。
シンプルながらリッチで優しい使い心地のクリームです。

1.ミツロウ(ビーワックス)

ミツロウ

蜜蜂の巣を溶かして作られるワックスで、古くから化粧品の他、灯りや防水ワックス、クレヨンといったものに使われ、私達の生活になじみ深い素材です。ヨーロッパ等一部地域ではお菓子作りに使ったり、ミツロウでできた蜜蜂の巣をそのまま食べたりする習慣もあります。


ビーワックスリップクリームに使っているのは、ヒマラヤ山麓の森に暮らす野生の蜜蜂「ヒマラヤオオミツバチ」と「オオミツバチ」の巣からとれる2種類のミツロウ。
野生の蜜蜂の巣から採取されるミツロウは、それぞれの季節ごとに自生する植物から蜜を集めるため、色や香りが微妙に異なります。
ミツロウはビタミンB類を含み、肌をなめらかに保湿して、心地よい柔らかな感触を持続させる働きがあります。

2.ヒマワリオイル

ヒマワリの種

ヒマワリの種から採れるオイルで、肌なじみが良く軽い使用感が特徴です。
軽やかな使い心地と高いスキンケア効果が期待されることから、化粧品の原料やマッサージオイル等に利用されています。
保湿効果が高く、どんな肌質にも合うヒマワリオイルは、リップクリームにすることで、デリケートな唇をカバーし、いきいきとしたツヤをもたらします。

3.シャクナゲの精油

シャクナゲの花

ネパールにはたくさんの種類のシャクナゲが生育していますが、精油が取れるのは、およそ標高3700~4700mという高山に咲くシャクナゲのみ。
ビーワックスリップクリームに使っているのは、学名をRhododendron anthopogonという高山シャクナゲです。学名の「ビーズを連ねたような花」という意味にふさわしく、まるで蝋かガラスでできているかのように花弁が透きとおった、清楚で上品な花を房にして咲かせます。


このシャクナゲはネパール語で金の葉の意味の「スンパテ」(スンが金、パテが葉)と呼ばれます。葉の裏が金茶色であるためです。
高山に暮らすチベット系民族のタマン族やシェルパ族の人々は、朝夕にこの枝を焚き、祈りの香としてチベット仏教の神々に捧げます。また、花を摘んで乾燥させ、バター茶に混ぜて、その蜜のような甘い香りを日々楽しむ等、ヒマラヤに生きる人々に愛されてきた伝統的な植物です。


精油を得るのに使うのは、その枝と葉。雨季の花のシーズンが終ったあと、枝や葉が十分に育った秋に、蒸留して精油を集めます。
金色をした精油は、深みのある甘さと涼感ある上品な香りで、穏やかなリラクゼーションの効果があります。

2種類のミツロウ

ヒマラヤオオミツバチのミツロウ

ヒマラヤオオミツバチ

ビーワックスリップクリームの主成分はネパールの高山に住む、「ヒマラヤオオミツバチ(Apis laboriosa)」という蜜蜂の巣からとったミツロウです。香り高く、なめらかな手触りで、リップクリームに素晴らしい使い心地と効果をもたらします。
ヒマラヤオオミツバチの体長は2㎝ほどで胴は黒っぽい色。世界で一番大きい蜜蜂であるといわれています。
断崖絶壁に巣をかけるヒマラヤオオミツバチの巣は、ハニーハンティングによって採取され、蜂蜜やミツロウ等が利用されてきました。ハニーハンティングを行うハンターたちにとって、貴重な現金収入をもたらすものでもあります。


しかしながら、もともとヒマラヤ山麓の高山の特定の地域のみに生息域が限られるうえ、地域開発や観光客に向けたハンティングの増加、温暖化による気候の変化等の影響で、2004年以来、その個体量が減少しつつあることがわかりました。
現在、ビーワックスリップクリームにはハニーハンティングによって得られたミツロウを使わず、ヒマラヤオオミツバチの子育てが終わり、蜂が去った後の巣から得たミツロウを利用することで、ヒマラヤオオミツバチの繁殖を守っています。

オオミツバチのミツロウ

オオミツバチ

「オオミツバチ(Apis dorsata)」は「ヒマラヤオオミツバチ」に次いで、世界で二番目に大きな蜜蜂であると言われます。体長は2㎝弱。ヒマラヤオオミツバチとあまり変わりませんが、全体にほっそりしており、胴は一般的な蜜蜂と同じような縞模様をしています。
ネパールやインドの他、タイ、ミャンマー、ラオス、インドネシア等の東南アジアからオーストラリアにまで広く生息し、個体量も多く、種として安定しています。
ネパールではインド国境近くの南部の森に生育し、ケーワットというインド系の民族によって採集され、利用されています。
オオミツバチのミツロウは、ヒマラヤオオミツバチのミツロウより更に柔らかくなめらかな感触が特徴です。
ヒマラヤオオミツバチの個体量の減少に伴い、2004年からリップクリームの原料に加わりました。

ミツロウを作る

ミツロウは蜂蜜を除いた蜜蜂の巣を煮溶かして作ります。水を加えて煮溶かした巣を清潔なさらし布でこし、精製。こした後の液体は比重の違いで水分とミツロウとに分かれ、ミツロウに水分が残ることはありません。
ミツロウの色は、その年に蜜蜂達が蜜を集めた花の色等によって「ヒマラヤオオミツバチ」も「オオミツバチ」も、淡いクリーム色や、やや緑がかった黄色、淡いコーラルピンク等、また香りも蜂蜜のほんのりと甘い香りを基調に、時には松の葉の匂いに似たものと、多様です。

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