朝摘みばら水の製造が始まります
「3月に雨がたくさん降りました。
薔薇のためにも、他の植物のためにもとてもいいことです」
ナイアード・モロッコのディレクター、ラシッドからそんな知らせが
ありました。
そして、いよいよ今年の朝摘みばら水(以下、ばら水と省略します)の
製造が始まります。
ばら水の製造はとてもシンプル。
薔薇を水蒸気蒸留し、出来た芳香蒸留水をボトルに詰めるだけ。
シンプルなだけに、薔薇の新鮮さ、1つ1つの作業を丁寧に行なうこと
が、その年のばら水の香りを決定します。
摘みたての薔薇を蒸留するために、この季節だけは、製造の拠点を
マラケシュから薔薇の町、ムゴナに移動します。
ムゴナは、ナイアード・モロッコがあるマラケシュから
アトラス山脈を超えて車を走らせること6時間、
サハラ砂漠に向かって伸びる、カスバ街道沿いにあります。
モロッコスタッフは皆、マラケシュ郊外にある工房近辺の村に
住んでいるので、薔薇が咲く4月の終わりから5月の中頃まで
スタッフ総出でムゴナに出張し、工房隣にある住居棟で
生活を共にしながら製造を行います。
仮の住処に拠点を移す不便もあり、蒸留器が働いている間は、
交代で寝ずの番をするハードな仕事ですが、皆、それでも
ばら水の仕事が好きだと言います。
ばら水の製造を始めて今年は9年目。ムゴナの人々とも
それぞれのスタッフが交流を重ね、この季節、ナイアードの
スタッフが来るのを楽しみにしてくれている村の人々も
多くなりました。
ある年は薔薇の開花時期に霜が振り、薔薇のシーズンが
その一時で終わってしまったこと、
開花が遅かった年、それでも村の人々の協力で薔薇が工房に集まり
無事製造を始められたこと、
その年の気候条件に大きく製造が影響され、
いろんなドラマが起こるばら水の製造。
今年も無事予定量を製造できるように願いたいです。
日本のスタッフが製造に加わっている間、
ムゴナの気候のこと、日々の製造の中であったこと等を
レポートします。どうぞお楽しみに。