チウリ モイスチャークリーム~背景~

ネパールの風景

ネパールという国、暮らしている人々

「世界の屋根」と言われるヒマラヤ山脈に抱かれた国、ネパール。
その国土には、世界最高峰のエベレストをはじめ、標高8,000m級の山々が連なる一方、亜熱帯の平原も存在し、豊かで多彩な自然に囲まれています。
インドやチベット等隣国の文化に影響を受けながら独自の文化を育んだネパールは、多くの民族が暮らす多民族・多言語国家。
それぞれの民族ごとに異なる伝統や習慣、信仰を持ち、多様な文化を形成しています。

崖崩れを防ぐチウリの木

山の民の生活に溶け込むチウリの木

チウリの木が植生する、ネパールの中西部に位置するベリ州。標高300~1,500mほどの場所に位置します。チウリの木は崖地に植生し根をはり、崖崩れ等を防ぐため、人々から大切にされています。
 
ベリ州は、様々な民族で構成されています。その中でもチベット / モンゴル語系山地少数民族であるチェパン族の村にもチウリを利用した文化があり、バターが採取されます。この地域では、春から夏にかけては農業に従事し、冬の農閑期には狩猟採集を生活の糧としてきました。

ネパールの風景

ナイアード・ネパールのスタッフの生まれ故郷でもあるルンビニ州でもチウリバターづくりでは村の共同行事として独自の伝統的な製造方法を持ち、その勇壮な製造方法は圧巻です。
村の日常生活の中では、完熟の果実の皮を除き、果肉をそのまま食します。土を練って作ったかまどに焚き木をくべ、チウリバターを入れた鍋でパンを揚げたり、セロリの炒めものを作ったり、豊かな甘みのある果実を利用してロキシ(地酒)を作る等の豊かな食文化があります。味は、適度な濃厚さを持ちながらも動物性油脂よりも淡白で軽やかな味です。各家庭で作られるロキシはどの家庭でも製造方法こそ同じですが少しずつ風味が異なり、その家庭の自慢の味です。

ネパールの風景

製品に利用されるチウリバター(油脂成分)の融点は30~35℃で、肌上や口の中ですっと溶けます。ネパールの仏教寺院では、村人皆が収穫し、協力して作られたバターを寺院内で神に捧げ灯すディオ(ランプ)等に使います。
チウリの大ぶりの葉は、ティハール等のお祭り用に葉を編んでお皿にします。この皿には、米、バナナ、りんご、花やヨモギを入れ、ヒンズー教の女神で、美や豊穣、幸運を司るラクシュミに捧げます。また、比較的堅い木は、家の柱や天井の梁等に利用されています。このように、チウリは地域の生活に溶け込んでいます。

ネパールの風景

冷涼な気候が育む甘く香しい果実・杏のオイル

アプリコットが植生するネパール北西部カルナリ州。
南部はヒンズー教徒、北部ではチベット仏教(ラマ教)徒が住んでおり、チェトリ、バフン、タクリの民族で構成され、ネパールでも最北部のラマ社会は豊かな知識を持ち、多種多様な文化を育みます。
 
アプリコットは日本ではドライフルーツでもなじみのある果物ですが、ネパールでは食用に、ロキシ等も作られます。アプリコットオイルは現地では料理(特に、お祭り時期)にも使われ、スキンケアのためのマッサージオイルとしても利用されてきました。

木にかけられたオオミツバチの巣

オオミツバチ ~森のハニーハンティング~

「チウリ モイスチャークリーム」に使っているオオミツバチのミツロウ。
インド国境付近、タライ平原南西部の森でハニーハンティングするのはケーワットというインド系の民族の人々です。
彼らがハンディングする森は、ネパールの国立自然公園。自治体から許可を受けたハンターたちだけが決められた量だけを集めることができます。
 
ナイアードのビーワックスリップクリームに一部使われているヒマラヤオオミツバチのミツロウとは同じ「ハニーハンティング」ですが、蜂の生態によりそれぞれ採取方法が異なります。
 
森に住む「オオミツバチ」は、高い木の梢に巣をかけます。巣の形は平たい半円形もしくは、つり鐘を天地逆さにしたような形状で、木の枝から巣がぶら下がります。ヒマラヤオオミツバチより一回り小さな巣とはいえ、巣の直径は60~70cm、厚さ10cmほどの大きく立派な巣を作ります。

巣を切り取る
巣を取る

ハンターが木に登り、枝にかけたロープに結びつけた篭の中へ巣を切りとります。小さな欠片やこぼれる蜂蜜は、手に持った缶に受け取ります。
オオミツバチの巣の特徴は、巣の場所の役割を縦割りにし、左右で蜂蜜の貯蔵場所と子育ての場所に分けていること。この巣では左側が蜂蜜を貯める場所、右側が子育ての場所。そのため、ハンティングでは子育て部分は残し、蜂蜜を貯蔵する側を切り取ればよく、蜜蜂たちは、再び蜜を集める場所を作り直すことができるので、蜂の繁殖を妨げることはありません。

粗製する
ミツロウを粗製する

蜂蜜を搾り取った後の蜂の巣は、そのままでおくと巣に僅かに残った蜂蜜が発酵し、匂いが変わってしまいます。そのため、すぐに加工しなくてはなりません。
お湯を沸かし、その中に巣の欠片を入れて煮溶かし、お湯の表面にミツロウが溶けて浮き上がってきたら、水を加え個体になったミツロウの欠片を大きなボール状に固めます。

粗製されたミツロウ
粗製ミツロウの出来上がり

固められたミツロウの形はさまざま。
これをもう一度湯煎して溶かし、精製してチウリ モイスチャークリームの原料にします。

はなのいえとヒマラヤ(アンナブルナ連峰)

チウリ モイスチャークリームを作っている場所 ~はなのいえ~

ネパール中央部、ポカラ近郊の村、アスタムにパーマカルチャー農場を併設したリゾート「はなのいえ」があります。「はなのいえ」は、宿泊施設であると同時に、チウリ モイスチャークリームを作る工房でもあります。ヒマラヤの主峰部であるアンナプルナの麓、澄んだ美しい空気に囲まれてチウリ モイスチャークリームは作られるのです。

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