アルガンクリーム~背景~

豊かな素材の宝庫、モロッコ

地中海と大西洋に面した北アフリカの国、モロッコは、青と白、そして光のコントラストが印象的なフェニキア交易の中継地エッサウィラ、フランスの影響を受けたアールデコの白い街カサブランカ、古い歴史を持つ青い陶器の街フェズ、サーモンピンクの土壁と活き活きとした緑が印象的な街マラケシュ・・・、それぞれの街が鮮やかな色を持つ美しい国。古くからイスラム、ベルベル、アフリカの文化が交易によって交差し、独自の文化が作られてきました。
人が創り上げた文化的な魅力だけでなく、澄んだ青空、強い太陽の光、サハラからの暑く乾いた風、海からの風がもたらす優しい雨と霧、アトラス山脈の雪解け水、さまざまな気候がもたらす恵みのおかげで自然素材の宝庫でもあります。

エッサウィラ大西洋沿岸の港

アルガンオイルのふるさと ~モロッコ南西部~

アルガンオイルのふるさとは、アルガンの木の自生地の中心、モロッコ南西部。エッサウィラ等、大西洋に面した街は晴天が多く、温暖で過ごしやすい気候。それらの街から内陸に向かうと、アトラス山脈周辺はサハラ砂漠の西端ということもあり、乾燥した土地が続きます。この、乾燥した土地でも地中深くに根を下し、力強く生きる木がアルガンなのです。

街のドアを飾る「ファティマの手」のノッカー

アルガンオイルとの出会い

私達がアルガンオイルの名前を知ったのはモロッコの古都、フェズに暮らす大家族の物語を書いたファティマ・メルニーシーの著書『ハーレムの少女・ファティマ』(未来社,1998年)から。その中で主人公の少女が、南の明るい土地で採れる、髪と肌を美しくしてくれるオイルとして憧れを込めて語るシーンがきっかけでした。
初めはモロッコの南にあることしかわからなかったアルガンオイルでしたが、モロッコに通ううちに、「ビタミンEをとても豊富に含み、モロッコでは“若返りのオイル”とも呼ばれていること」「スキンケアに用いられるだけでなく、食用としてもとても上質なオイルで、スローフードとしても高く評価されていること」「大西洋に面した街・エッサウィラ近郊にアルガンの木があること」「ヤギが実を求めて木登りすることでも有名なこと」など、様々な顔が見えてきました。

アルガンオイルを作るベルベル人の女性

アルガンの木と地域の関わり

モロッコの先住民、ベルベルの人々はアルガンオイルを生活の中で利用してきました。食用としては、ローストした仁から搾ったオイルをトーストにつけて食べたり、クスクスなど様々な料理に使ってきました。
食用の他に皮膚の吹き出物、特に青年期のニキビ、水疱、リウマチなどの治療にも使われてきました。また、乾いた肌に潤いを与えたり、しわの防止等スキンケアに使われてきた伝統があります。古くから彼らにとってはとても身近なオイルです。
 
アルガンオイルづくりは女性達が家事の合間に行う仕事でしたが、モロッコは女性が就業の機会を得ることが難しいイスラム社会。
オイルを売る仕事は男性が行うため、女性の手には現金が渡りにくいという問題点がありました。現在ではアルガンオイルを生産する女性の協同組合が数多くでき、どの協同組合もアルガンの木の保護や、女性の自立支援、社会的地位の向上を目指し設立されています。
アルガンオイルの評価が世界的に高まることにより、地域の経済もゆっくりと向上し、アルガンの木は現在では様々な社会的な意義を持つ存在になりました。

アルガンの森

アルガンの森を守るために

モロッコ南西部のタルーダント、アガディール、エッサウィラ周辺などの大西洋側の都市を内陸に向かった、限られた地域に自生しているアルガンの木ですが、燃料や、畑の開墾のための乱伐が進み、絶滅が危惧されるほどにまで減少していました。
乾いた土地に点在するアルガンの木々を現地の人々は、「森」と呼びます。見渡す限りの荒れ地にどこまでもアルガンだけが生える風景には、私達の想像する豊かで穏やかな森とは異なった、厳しく、荒々しくも、力に溢れた雰囲気が漂います。
 
近年になって、アルガンの木が地中深く根を伸ばすことで、土壌の保水効果を高めその土地の乾燥を防ぐことが、地力を守り食料になる穀物、野菜の生産、飼料の確保に繋がることがわかってきました。加えてアルガンオイルの成分の有効性、オイル生産による経済的効果など、社会や環境にもたらす影響の大きさ、恵みの多様さ、重要性がモロッコならず世界的に知られるようになりました。
広く深くアルガンのことが知られることにより、このアルガンの恵みがこの地域に暮らす人々に実感として捉えられるようになり、アルガンの木を大切にしようという意識を生み始めました。
 
現在ではモロッコ政府による伐採の禁止や管理、オイルの生産グループによる植林によって保護が進み、少しずつアルガンの森はその力と生命を取り戻しつつあります。

タイ・チェンマイ ~工芸と芸術の街~

インドシナ半島の中央部に位置するタイ王国。その国土は大きく4つの地域に分けられ、その地域ごとに多彩な表情を見せます。
タイ北部は山岳地帯が多く、様々な山岳民族が暮らす地域。タイ第2の都市、チェンマイは豊かな自然の恵みに育まれ、古くから工芸と芸術が豊かに花開いた優雅な都市として「北の薔薇」とタイの人々から呼ばれて来ました。人の手が生み出す丁寧で繊細なものづくりの誇りを持ち尊ぶ気風は、今も人々に深く受け継がれています。
この穏やかで美しい町の郊外の田園地帯に、ナイアード・タイランドの工房はあります。

ナイアード・タイランド

アルガンクリームを作っている場所 ナイアード・タイランド

ナイアード・タイランドの工房は、北タイの工芸の町と呼ばれるチェンマイから、20kmほど郊外へ出た緑豊かな場所にあり、石鹸の他、ガスールの検品やパッキング、アルガンクリーム作りなど、ナイアードのものづくりのコンセプトと実践の中心をなしています。
工房では、周囲を囲む豊かな自然との調和はもちろん、周辺の村、特に女性に対し就労の場を作る、地域社会との調和をめざしたものづくりを行っています。

自然と調和したものづくりの試み

ナイアード・タイランドの工房は、もともと敷地に生えていたマンゴーの木を残すようにして建設されました。すでに長い年月を永らえてきた樹木を生かした場所づくりをしたのです。その他にも、工房の敷地内にはバナナやラムヤイ(龍眼)といった果物や、様々なハーブなどが茂ります。
 
この場所で、自然と調和したものづくりを行うために、ナイアード・タイランドでは植物の力を借りた廃水浄化システムなどの試みを実践しています。
日常的な廃水は、まず浄化池に集められます。そこに育つパピルスや空芯菜、ホテイアオイ、睡蓮などが、排水の汚れを栄養として取り込み、根の周りに住む微生物も汚れを分解します。自然に集まってきた巻貝や昆虫など水の中の生き物も同じ働きをします。そして枯れた植物や、池の底に溜まっていく泥はコンポストに移され、肥料として利用されます。
この他、チークの古い家を解体した木材を再利用したスタッフルームやトイレ、食堂の建設等リサイクルも積極的に行っています。

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