薔薇の春支度
暖かくなったと思ったら、寒さがぶり返したり不安定な天気が続きますが、
なんとなく日射しからは春を感じるようになってきました。
明るい季節が待ち遠しいですね。
ナイアードでは、既に今年の「朝摘みばら水」の製造の準備が始まっています。
素材であるダマスカスローズが咲くのは、4月の終わりから5月にかけて。
蕾がまだ青くて堅い4月中旬頃、私たち日本のスタッフも
モロッコのスタッフと一緒に、製造拠点のモロッコ・ムゴナに向かいます。
数年前のムゴナ工房設立の際、レイアウトの相談で、いつもは訪れることのない
3月上旬のムゴナを訪れました。
3月のムゴナは、雪こそ降ってはいなかったものの底冷えがして、
ホテルの部屋の中でもダウンジャケットが手放せませんでした。
その時見た畑のダマスカスローズは、茶色く枯れたようにも見え、
棘のある茎や枝だけがたよりなさげに空に向かい弧を描いているだけ。
初めてその様子を見た私は、こんな状態から本当に花が咲くのかと
とても心配になりましたが、その年も製造のために再度訪れた時には、
毎年見るように葉を茂らせ、たくさんの花をつけていました。
お恥ずかしながらその時改めて、花が咲くころのダマスカスローズしか
知らなかったのだと気づきました。
この出来事がきっかけで、1年を通し、どんな様子なのかを
観察したいと話をしていたところ、東京郊外にあるナイアードの敷地に、
あるスタッフがダマスカスローズを植えてくれました。
植えてから2年目の今年、ひとまわり大きくなったダマスカスローズは、
先月は3月のムゴナで見たように棘のある茎や枝だけだったのですが、
その先端にも、新しい葉が現れてきています。
今年は、昨年よりももっとたくさんの花を咲かせて、姿だけでなく、
香りでも楽しませてほしいと思います。
(赤座)