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モロッコのラマダン(ナイアード・モロッコより)

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7月2日の満月を過ぎ、今年のラマダンも半月を残すのみとなりました。
製造拠点の1つ、モロッコはムスリムの国。
スタッフ皆がラマダン(断食)を行っています。

今日は、ナイアード・モロッコのスタッフ、ラシッドから、
私たち日本人があまり知ることのないラマダン中の仕事の方法や、
家族との過ごし方について便りが届いていますのでご紹介します。


マラケシュ 満月近しKutubiyya_s

「ラマダーン・カリーム!」
日本の「あけましておめでとう」に近い意味合いの挨拶が、
陽の落ちたマラケシュの街のあちらこちらから聞こえてきます。

ラマダン月のモロッコでは、夜が明けてからの昼間の時間は、
普段よりとても静かな雰囲気になります。
しかし日が暮れる直前は、人々はすこしそわそわして
街を行きかう人々も、我先にと家路を急ぎます。
家に帰ると家族で、お母さんや、皆が準備をしてくれていた食事を囲んで
テレビやラジオが、日没を知らせるのを待ちます。

日没の知らせのあとは、長い夜の始まりです。
最初は、空腹をゆっくりと食べ物に慣れさせるためにスープや、
ナツメヤシの実を食べます。
そして、ゆっくりゆっくりお腹が慣れてきてから本格的な食事をいただきます。

1回目の食事が済んだあとは皆でモスクに行きます。
ラマダン中のモスクは、いつもより大勢の人が集まり、皆でラマダンを祝い、
会話が弾み近所の人々とも良い関係ができます。
夜も遅くなった頃から、女性は家のサロンに集まり会話を楽しみ、
男性は街のカフェに集まり、友人たちとの会話や食事を楽しみます。
夜遅くなっても、普段のマラケシュよりも街じゅうが賑やかで
皆、その時間を楽しんでいます。

夜遅く家に帰って睡眠をとったあとは、夜明け前に起きて、朝食を食べます。
朝食が終わり仕事の時間には皆、いつものように仕事に行きます。
ナイアード・モロッコでは、普段は8時間の仕事をしていますが、
ラマダンの時には7時間仕事をします。
ラマダンの間は、お昼ごはんの時間に食事を摂らないため、
休憩を無くし、ガスールや、朝摘みばら水の仕事をします。
お昼の時間にも仕事をがんばり、いつもより早く家に帰り、
家族の手伝いをします。

ラマダンがあるおかげで、モロッコでは家族と過ごす時間が増えて、
家族の絆が深まります。
また、一緒に過ごす友達や、仕事の仲間もお互いへの思いやりの気持ちが湧いて
仲が良くなり、場の雰囲気がよくなります。
(ラシッド)

新月から、次の新月までの30日間のラマダン月、
イスラム暦と太陽暦の差から毎年少しずつ時期がずれ、
ここ数年は真夏の暑くて昼間の時間が長い時期に訪れます。
日中の暑さの中で、水も飲むことが出来ない状況では
私たちは「つらいに決まっている」と想像しがちですが、
それにもまして一緒に過ごす家族や、友人、職場の人々、
また、普段はモスクで言葉を交わし、挨拶をする人々との交流が
皆の温かい気持ちに包まれ幸せな時間なのだと感じさせられました。

モロッコの文化、こちらでも紹介しています。
「ガスールの昔と今。その魅力」

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