朝摘みばら水~2017年製造レポート~

2017年の薔薇

朝摘みばら水とは

薔薇(ダマスクローズ)を伝統的な蒸留器を使って水蒸気蒸留した芳香蒸留水。添加物を一切加えず瓶詰めしました。薔薇の産地であるモロッコ・ムゴナの気候、その気候が影響を及ぼした自然の様子が、そこに咲く薔薇の年毎の香りを作ります。朝摘みばら水が、自然が移ろいゆくことを改めて感じていただけるきっかけになれば何よりです。

朝摘みばら水の薔薇を育む季節の様子

豊かに実っている麦畑。左右に畑を侵入者から守る薔薇の垣根が見える

薔薇の産地、モロッコ・ムゴナは、アトラス山脈の南東をサハラ砂漠に向かい伸びるカスバ街道沿いにあるオアシスです。村の人々は、灌漑用水を共同で運用しながら麦や飼料作物を栽培し、畑の垣根として薔薇を植えています。ムゴナの薔薇の美しさ、香り高さはこの栽培方法にあります。
 
昨年秋から薔薇の咲く4月の終わりまで、降ったり止んだり例年に比べ多くの雨が降りました。
植物の生育に適した時期の雨が、薔薇だけでなく畑の麦や柘榴(ざくろ)、アーモンド等の果物の木を潤わせ、ナイアードのムゴナ工房では、4年前に植えたびわの木もすくすくと大きくなっています。

朝摘みばら水製造の風景

瑞々しい麦の畑

朝摘みばら水の製造は、例年通り4月下旬に始まりました。1年のうちで薔薇が咲くほんの数週間の間に新鮮な薔薇を水蒸気蒸留します。蒸留の期間は晴天に恵まれ、例年より少し早めに薔薇は開花のピークを迎えました。そのため、ムゴナで朝摘みばら水を作り始めた時からの世話人で、仲買人でもあるフセインさんのところにも村の人々から毎日たくさんの薔薇が持ち込まれたことから、買い付ける薔薇に選択肢が生まれ、フセインさんを通じてナイアードの工房に運び込まれる薔薇は、蒸留に適した八分咲きの花がほとんどでした。そんな薔薇が工房に届くと、花と蕾や枝葉を選別する作業も軽減されます。
 
毎年、ガスールの製造のためにマラケシュに残るスタッフもいますが、今年は皆でムゴナに滞在し、一丸となってばら水の製造に取り組みました。
 
ムゴナの春は、夜に肌寒くピンと空気が締まって、日中は澄んだ空気と強い日差しが彩やかな風景を作っていますが、この数年は気温が高めの年が続いていました。温暖化の影響を心配しましたが、今年は久しぶりのムゴナの春らしいひんやりした気候が戻ってきました。

薔薇に関わる人々の暮らしや思いなど

ムゴナの薔薇の注目度が高まるにつれ、毎年薔薇の買入価格が上がり、村の人々の薔薇を誇りとする気持ちに繋がっています。村には農家と企業等を繋ぐ薔薇の仲買人が増え、地元の人向けにローズウォーターを作り販売する店も増えました。ナイアードと同じように、伝統的な蒸留器を使った水蒸気蒸留でローズウォーターを作る人も現れてきました。
 
年々、薔薇のことを大切にする村の人の気持ちがだんだんと高まっていくのを見るのはとても嬉しいことです。薔薇の季節だけでなく1年を通し賑わう場所になってほしいと、村の繁栄を願っています。これからも薔薇に関連する工場や、仕事が生まれていってほしいと思います。

2017年の朝摘みばら水

朝摘みばら水

そんなムゴナの自然の移ろいを映した2017年の朝摘みばら水は、 「形よく、鮮やかな薔薇を育み、麦や果実にも恵みの雨の降った年。
軽やかで瑞々しいライチのグリーンが広がり、香りに深みと清涼感を醸す、微かなクローブの余韻。」
昨年のばら水に比べ、すっきりした印象になりました。
 
日本でその年のばら水が届くのを待ってくださっている皆さんのおかげで、私たちもいいもの作りたいと頑張れます。今年の朝摘みばら水も宜しくお願いいたします。


(レポート:ナイアード・モロッコ ラシッド、レポート補足:赤座)

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