ヘナ+木藍20周年を迎えることができました!
2003年のヘナ+木藍(もくらん)発売から、おかげさまで20周年を迎えることができました!ご愛顧いただいている皆さまに心より感謝申し上げます。
今では、ナイアード ヘナシリーズにはなくてはならない植物の木藍(インディゴ)との出会いは2002年。初めて木藍(インディゴ)の生産地・南インドの調査で見た藍の畑、藍の乾燥葉、粉砕までの工程は今でも鮮明に思い出す光景です。
植物だけで白髪を茶・黒茶・黒に染めることができるのも「木藍」(インディゴ)のおかげ。植物100%での髪染めの可能性や、色の幅を大きく広げてくれた植物として感謝するとともに、2003年から南インドで栽培し、良質な藍の乾燥葉を生産してくれている生産者の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。
皆さま、本当にありがとうございます!そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ヘナ+木藍シリーズ開発のきっかけ
初めてナイアード ヘナシリーズで発売したのは、木藍(インディゴ)が入っていないシンプルなヘナだけの商品、「ヘナ100%」でした。ヘナだけの染め色は、白髪を明るい赤茶色に染めます。ヘナの認知度が上がるにつれ、植物100%で日本人の黒髪になじむような落ち着いた色に染められるヘナ商品はありますか?というお問い合わせをいただくことが増えていきました。
黒髪の日本人が白髪染めとして好む色を追い求め、ヘナに混ぜて使用する植物として辿り着いたのがイラン産の「大青(たいせい)」というアブラナ科の藍でした。ただ、この大青の産地は、アフガニスタンとの国境に近く、政情が安定しない地域だったため、生産者に会いに行き、品質管理を行うのが非常に難しい地域でした。
そのため、大青に代わる藍の調査を始めたところ、ナイアードのインドスタッフ・ゴパールから、良質の「藍」が南インドで栽培されているという情報を得て、藍の葉の粉末サンプルを生産者から取り寄せ、日本へ送ってくれたのが現在の「木藍」(インディゴ)との出会いでした。
この出会いをきっかけに現地の生産者に会いに行き、藍の畑から刈取り、葉の乾燥、粉砕までの工程を見せてもらい、染めや使用感の確認などを経て、南インドの木藍(インディゴ)を配合したヘナ+木藍シリーズの発売が2003年6月から本格的にスタートしました。
実はヘナとインディゴを混ぜた商品を最初に発売したのはナイアード
インドでは、黒っぽく落ち着いた色に染めたい時は、まずはヘナだけで一度髪を染め、その上からインディゴ(藍)でもう一度染めて色を落ち着かせるという2工程の方法が主流です。
ただ、この2工程は時間がかかり、ヘナの良さや使いやすさを追求すると、初めからヘナにインディゴ(木藍)が配合され、1回の染めでしっかりと染まる商品を紹介することでヘナを多くの人に使っていただけ、その良さや魅力を知ってもらえる商品になると考えていました。
配合比率や染毛実験などを経て、インディゴ(藍)を配合した1回染めの商品を紹介するとともに2002年4月には、特許を出願し、取得しました。
この20年の間にインディゴ(藍)を配合したナイアードのヘナ+木藍シリーズは、茶・黒茶・黒と3種類のシリーズ展開になり、さらに皆さまに植物100%での白髪染めを楽しんでいただける商品ラインナップになりました。
ナイアードの木藍に対するこだわり
良質な木藍との出会い
インド・ナイアードスタッフのゴパールが調査し、辿り着いた南インドの生産者から、藍(インディゴ)の乾燥葉の粉末を取り寄せ、日本へサンプルとして送ってもらいました。届いた藍の粉末は、目を疑うほどの鮮やかな緑色で、今まで見たことのないほどの鮮やかさで、染めた際の色も綺麗な濃紺な藍色で、良質な藍であることは疑いの余地がありませんでした。期待と興奮を胸に藍の産地である南インドに生産者や畑を訪ねに赴きました。
現地につくと、すでに乾燥葉が用意され、粉砕前の藍(インディゴ)の状態が確認できるように準備をしてくれていました。南インドの生産者が本来製造しているのは、ナイアードが求める藍の乾燥葉を粉砕したものではなく、藍に含まれる青色色素の元を固めて乾燥させる「インディゴケーキ」と呼ばれる藍のブロックを代々生産している人たちでした。藍のインディゴケーキしか作っていなかった彼らは、粉砕機を持ち合わせていなかったため、乾燥葉を村にある小さな製粉所へ持ち込み、私たちの目の前で粉砕してもらいました。粉砕機から出てきた粉は、サンプルで見た鮮やかな美しい緑色そのもので、その場で彼らと「藍」の仕事を一緒にやる事に決まりました。
生産者の彼らと話していく中でとても印象的だったのは、「長く一緒に仕事をしていく関係を築いていきたい」という要望でした。この20年間で、当初用意した粉砕機は2~3倍の生産量が可能な物に買い替え、彼らも自分達の藍に自信と誇りを持って仕事をしています。1880年の合成インディゴの普及に押され、天然藍の産業が衰退しつつあった「藍」が再び南インドの地で根付き、仕事として動き始めた事は大きな喜びでもあります。
品質を守るための取り組み、こだわり
ヘナ+木藍シリーズに配合されている木藍(インディゴ)は、南インドのタミル・ナドゥ州の契約農家で農薬や化学肥料を使わずに栽培しています。
木藍(インディゴ)は一年草で、毎年種を撒くと年2回は収穫することができますが、しっかり育った質のいい1回目の葉だけを収穫し、使用しています。木藍(インディゴ)はヘナよりも水分に弱く、藍の葉そのものに含まれている水分でも劣化に繋がる可能性があるため、収穫後はすぐに葉の水分を飛ばして乾燥させています。そうすることで、染め上がりの色が濃く、しっかりと白髪を染め上げることができます。
ナイアードのヘナは全て植物100%のため、素材=品質となり、良質な素材を厳選することが非常に重要です。ナイアードがヘナを開発した当初からインドのナイアードスタッフと共に品質管理を行い、収穫時期や製造時期には日本のスタッフもインドに赴き、品質の確認に努めています。
また、ヘナや他のハーブと同様に、木藍も日本に輸入後は社内で染色力の確認を行い、第三者機関の分析検査で化学染料であるジアミンやピクラミン酸などが含まれていないことを確認しています。これまでジアミンやピクラミン酸などが検出されたことは一度もなく、現地スタッフの徹底した品質管理のおかげで、お客様に安心してお使いいただける商品をお届けすることができています。
インドスタッフに聞いてみました!
インドの現地スタッフとしてゴパールと息子とサティシュが2名体制で品質管理を担当しています。今回はサティシュに木藍のことや日本の皆さんにお伝えしたいことを聞いてみました。
品質を守るための取り組み、こだわり
木藍を育てるには灌漑が必要で、水を長時間保持できる土壌があることが理想です。気温は30~35℃くらいで湿気が多いことも品質の高い木藍を育てるのに必要な条件です。
契約農家がある南インドのタミル・ナドゥ州は水が豊富で緑が美しい場所で、稲やサトウキビなどの作物も育っています。
木藍製造時のこだわりや、ヘナとは違う気を付けるポイントは?
良質な木藍の葉は濃い緑色が特徴で、葉が大きく黄色いものは染色成分が含まれていないため、必ず取り除くようにしています。また、ヘナよりも水分に弱いので、収穫してすぐに乾燥させるよう気を付けています。
ヘナの生産・製造を通して伝えたいこと
スキンケア・ヘアケアに使用するものについて、環境のことなども踏まえて、出来る限り自然のもの、自然に優しいものであるべきだと私は考えています。
ヘナは素材100%で自然のもので、身体にも髪にも環境にも負担がないので、ぜひ皆さん使ってください!また、ヘナを使う人達が増えることが製造にかかわる人々の雇用にも繋がります。
木藍(インディゴ)って
木藍とは何か
ヘナ+木藍シリーズに使われている藍は「木藍」というマメ科の植物です。藍染めの原料として長い歴史を持つ植物で、原産はインドまたは東南アジアと言われています。学名をIndigofera tinctoria、別名:キアイ、ナンバンアイ、インド藍ということから、ナイアードでは「木藍(もくらん)」という呼び名でご紹介しています。
木藍の藍色色素がヘナの赤みを抑え、茶~黒に染め上げることができるので、ヘナ+木藍シリーズには欠かせない植物です。
インドの伝承医学・アーユルヴェーダでは、白髪を防ぐヘアオイルの素材として使われてきました。
木藍の歴史
藍の歴史は古く、紀元前2,300年頃のインダス文明の遺跡から藍染めの痕跡が発見されています。インドでは紀元前4,000年頃から藍染めが行われていたとされており、伝統的な染色技術として発展し、東南アジアや中東にも広がったと言われています。日本でも藍は古くから藍染めの原料として使われ、江戸時代には一般の人々にも広く普及し、家庭用品や普段の衣類を染めるなど、様々な用途に使用されました。
このように世界各地で異なる文化や技術と結び付きながら発展し、世界中で藍が使用されてきました。
インドの藍で作られてきた伝統的な沈殿藍によるインディゴケーキ(藍の染料のブロック)は運搬しやすく、長期期間の保存が可能な藍の染料として、ヨーロッパへ海外輸出され製造も盛んでしたが、1880年に合成インディゴが誕生し広く普及したことで、天然藍の染料の需要は減少していきました。
僅かですが現在もインディゴケーキづくりの伝統と技術を受け継ぎ、生産している人々がいます。ナイアードの木藍の産地である南インドの藍の生産者が行う、インディゴケーキづくりについてブログでご紹介していますので、詳しくは「南インド 沈殿藍 天然染料インディゴ(木藍)ケーキの話」をご覧ください。
カラーバリエーションを可能にした木藍
「木藍とは何か」でも少し触れましたが、ヘナの赤茶に木藍(インディゴ)の藍色を混ぜ合わせ、配合する割合を変えることで色味の調整が可能になり、白髪を茶・黒茶・黒に染め上げることができます。
ナイアードのヘナはどちらの種類をお使いいただいても1回で綺麗に染まる商品ですが、色の好みは人それぞれですので、ヘナ+木藍シリーズと赤茶のヘナ100%かヘナ+ハーブをお好みの割合で混ぜ合わせて自分だけのカラーを作って染めている方もいます。
ヘナ+木藍を濃く染めるための“ホットタオル”
木藍を綺麗に発色させるために必要な条件
木藍を綺麗に発色させる(落ち着いた色に染め上げる)ための条件は2つ。
一つ目は「水分」。
藍植物の葉の中に含まれる色素の成分が水や酸素に触れることで変化し、青く(藍色)染めることができます。
木藍が配合されているヘナ+木藍シリーズを髪に使用した場合、洗い流した後は、髪が濡れている状態が長いほうが落ち着いた色に仕上がりやすく、すぐにドライヤーで乾かして髪の水分を飛ばしてしまうと落ち着いた色が出づらく、発色には水分が必要なことが分かります。
藍(インディゴ)の染まる仕組みについて、詳しくは「藍(木藍)の発色のメカニズム(仕組み)と色」をご覧ください。
二つ目は「保温(温度)」。
ペーストや身体も冷めてしまうと染まりが悪くなるため、待ち時間の40分は保温キャップなどをかぶり、温かくして過ごしましょう。
また、温めるのは待ち時間だけでなく、洗い流した後も温めることで発色を良くするので、これからご紹介するホットタオルが非常に有効です。
ホットタオルをするメリット
2023年2月の「ヘナ+木藍 黒」発売のタイミングでリニューアルした取扱説明書から新情報として、ヘナ+木藍シリーズをお使いの方にはペーストを洗い流した後に「ホットタオル」をしていただくようご案内しています。
濡らして電子レンジで温めて作るホットタオルは、発色に必要な「水分」と「保温(温度)」のどちらも補うことができるナイアード一押しの方法です。
ホットタオルをするメリットは、
①発色が良くなる
木藍の発色に必要な水分と温かさ(保温)を同時に補うことができるため、髪への色の定着を進め、発色を良くするので、一度染めるだけで濃く染めることができます。
②色持ちが良くなる
ホットタオルを使うことで、色持ちも良くなります。染めた色が褪せたように感じるまでの期間が長くなったと、色持ちの良さを実感しているお客様からのお声もたくさん届いております。
③ドライヤーで乾かすことができる
これまで、洗い流した後にドライヤーで乾かして水分を飛ばしてしまうと、ヘナの赤みが強く出てしまうことがあるため、これまでは自然乾燥をおすすめしていましたが、ホットタオルを10分巻いた後なら、ドライヤーで乾かしても落ち着いた色に仕上がります。
これまでヘナ+木藍シリーズをお使いのお客様からは、「落ち着いた色に仕上がらなかった」「自然乾燥はちょっと…」「頻繁に染めている」などのお問い合わせをいただくことがありましたが、ホットタオルはこのようなお悩みを解消できる使い方になっています。
※「ヘナ+木藍 黒」は、黒に仕上げるためにホットタオルの工程が欠かせません。ホットタオルを使うことで透明感のある黒に仕上げることができますので、必ずホットタオルをしてください。
ホットタオルの効果
実際にヘナ+木藍 黒でホットタオルした場合と、していない場合で比較してみましょう。
ホットタオル無しは少し赤みを感じますが、ホットタオル有りは落ち着いた色がしっかり出て全体的に透明感のある黒に染まっています。
ホットタオルをすることで、ヘナ+木藍シリーズをお使いのお客様たちの仕上がりの満足度が上がっており、仕上がりに違いを感じているというお声も多くいただいています。
ホットタオルの方法
どなたでも簡単に手軽にできる方法ですので、ヘナ+木藍シリーズをお使いの方はぜひお試しください。
用意するもの=フェイスタオル1枚
頭を巻ける長さがあると使いやすいです。また、使い古しのタオルや色が濃いタオルを選ぶのがおすすめ!
STEP.1 濡らして絞ったタオルを600Wの電子レンジで1分温める
STEP.2 ヘナのペーストを洗い流してタオルドライした髪にホットタオルを巻く
STEP.3 タオルを巻いた上から保温性の高いキャップをかぶり、10分待つ
STEP.4 10分経ったらタオルを外してドライヤーをかけて終了
電子レンジではなく、熱めのお湯で濡らして絞ってもホットタオルになります。
※電子レンジまたは熱めのお湯、どちらでホットタオルを作る場合でも、やけどには十分ご注意ください
ホットタオルの方法を動画で確認したい方はこちら▼
ヘナ+木藍シリーズのご紹介
木藍を配合したヘナ+木藍シリーズは3種類。どちらも木藍と7種のハーブをヘナに配合したオリジナルレシピで、白髪染めだけでなくトリートメント効果もお楽しみいただくことができます。
ヘナ+木藍 茶
白髪が自然な茶に染まります。(黒髪の色はほとんど変わりません)
白髪を明るすぎず、暗すぎず、自然な茶の色に染めたい方におすすめ。
ヘナ+木藍シリーズで一番明るい茶色で、おしゃれに染めたい方や初めてヘナで染める方にもお試しいただきやすい色味です。
ヘナ+木藍 黒茶
白髪が落ち着いた黒茶に染まります。(黒髪の色はほとんど変わりません)
白髪を落ち着いた色に染めたい方や、仕事上、髪の色を明るくできない方、男性にもおすすめ。
20年前に発売した「ヘナ+木藍」はこちらの黒茶と同じ色で、発売以来一番人気のロングセラー商品です。
ヘナ+木藍 黒
白髪が透明感のある黒に染まります。(黒髪の色はほとんど変わりません)
地毛の黒髪に引けを取らない仕上がりがご希望の方、ヘナ+木藍 黒茶をお使いで「もっと暗くしたい、濃くしたい」とお考えの方や男性にもおすすめ。
長年のヘナの研究でたどり着いた、ヘナ+木藍シリーズ最高の黒さ。2023年2月の発売以来、初めての方もリピート購入してくださる方も共に増え続けており、植物100%で黒に染め上がる魅力・良さを実感していただいています。