朝摘みばら水製造レポート3 ~水蒸気蒸留~
前回は「薔薇の選別」の様子をお届けしました。
選別した薔薇は、できるだけ鮮度が高いうちに蒸留します。
ばら水は、エッセンシャルオイルを作るのと同じ構造の蒸留器で
ゆっくりと蒸留し作られます。
多くのスタッフが経験を蓄積し、今では蒸留器のたてる音、
ばら水がタンクに溜まる様子から火加減を調節し、蒸留のペースを
均等にできるようになりました。
ただでさえ天候により届けられる薔薇の品質が変わり、香りにも
ゆらぎが出る製品です。もちろん、一期一会の自然そのものの香りを
楽しんでいただきたいのですが、人の手ならではの調整で均一に
できるところはできるだけ、というのが製造スタッフ皆の気持ちです。
蒸留を始めると、工房はできたてのばら水の香りに包まれます。
できたてのばら水は、スウィートポテトのような甘い香りに松脂の香り。
花の香りとは違いますが、これから数ヶ月、香りは変化し、熟成していきます。
ムゴナでは、丁寧に時間をかける蒸留と、短い薔薇の季節に
1年分のばら水の製造を行なうために、スタッフが交代で寝ずの番を
することになります。
交代制で睡眠時間はとれるものの、生活のリズムがいつもと違うため
なかなかハードです。
ハードな仕事にもかかわらず、多くのスタッフは「ばら水の仕事が好き」
と言います。
ここ数年、ばら水製造中にたくさんのミーティングを設けてきました。
製造に携わるスタッフ1人1人が、作業をしながら疑問に思ったこと、
もっと作業を効率化できること等を発言できる場を設けるためです。
1人のスタッフが疑問に思ったことを皆で確認できたり、
より細やかなことに気を付けるきっかけとなる発言が聞かれたり、
ミーティングは、スタッフ1人1人の製造における創造性を高めていると
実感します。
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