メヘンディ(ヘナタトゥー)の楽しみ方
ヘナで模様を描いて肌を染めるメヘンディはヘナが生育する地域で受け継がれてきた伝統文化です。
ヘナタトゥーとも呼ばれ、1~2週間で消えるボディアートとして、体験したことがある人や知っている人が日本でも年々増えていますが、そもそもメヘンディ(ヘナタトゥー)とは何か、どんな意味があるのかをご紹介します。自分で楽しむ方法もお伝えしますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
目次
メヘンディって何?
なぜ肌が染まるの?
メヘンディを始める前に
ペーストの作り方
コーンの作り方
描く時のポイント、コツ
描き終えたら
あると便利なアイテム
ナイアードのヘナでメヘンディをするなら
メヘンディって何?
ヘナを使って肌を染めたり、肌に模様を描くことや、ヘナそのものをヒンディー語(北インドを中心に広く使用されている言語)でメヘンディといいます。こちらのブログでは、ヘナで肌に模様を描くメヘンディについてご紹介します。
ヘナで模様を描き、肌を染めるボディアート
ヘナのペーストを使って女性の手や足などに模様を描き、肌を染めるボディアートです。
メヘンディには邪悪なものから身を守る力や、幸運を呼ぶ力があると信じられており、お祭りやお祝いごとがある時には欠かせないものとして、ヘナが生育する地域で古くから受け継がれてきた伝統文化です。
染まった模様が時間と共に消えていく儚さもメヘンディの魅力の一つだと考えます。
近年は特別な日はもちろん、日常のおしゃれとしても女性たちに親しまれています。
結婚式ではメヘンディで花嫁の手足を飾る
インドでは、結婚式の前に花嫁と女性の家族や友人が集まり、花嫁の幸せを願いながら花嫁の手足を飾るように模様をびっしりと描き、メヘンディで手足を飾った花嫁は結婚生活に幸せと繁栄をもたらすと考えられていたり、濃く染まるほど嫁ぎ先で幸せになれると言われています。
お祭りでも欠かせないメヘンディ
メヘンディはお祭りの時にも欠かせません。例えば、インドには「カルバチョート」という伝統行事があります。「カルバチョート」は妻が夫の長寿を願う行事。断食の日、妻は日の出前に食事を済ませたら、夜、月が出るまで水すら飲まない断食をして、夫の長寿を祈ります。月が出ても夫が帰宅しなければ、妻の断食は続くため、この日は夫もいつもより早く帰宅するそうです。
「断食」と聞くと、つらい行事のように思ってしまいますが、妻たちはこの日のために数日前から手足にメヘンディを施し、当日は民族衣装のサリーやアクセサリーで美しく着飾って夫の帰りを待つ、というおしゃれの楽しみもあります。カルバチョートの時に施したメヘンディが消えるのが遅いほど、夫が長生きする、といういわれもあるそうで、夫婦や家族が、お互いの大切さを改めて感じる機会でもあるようです。
幸せや安全を願い、祈りが込められている
結婚式やお祭り以外にも、旅立つ女性には安全を願い、お守りのようにメヘンディが施されます。メヘンディはどんな場面でも、誰かの幸せを願う気持ちや祈りが込められています。
なぜ肌が染まるの?
ヘナは髪や肌のタンパク質に絡みついて染める
ヘナはタンパク質に絡みついて色を付ける(染める)ため、髪だけでなく肌も染めることができます。髪は代謝をしないため、消えていくことはありませんが、肌に染まったものは代謝と共に消えていくため、個人差はありますが1~2週間で消えていきます。
染まった後は代謝と共に消えていきます
染まった模様は代謝と共に少しずつ消えていくので、個人差はありますが大体1~2週間ほど染まった状態を楽しむことができます。
メヘンディを始める前に
用意するもの
【コーン1本分の分量】
1. ヘナ100%・・・大さじ2杯
2. 水・・・大さじ2~3杯
【必要な道具】
1. 器
2. ヘラ、またはスプーン(ペーストを混ぜる用)
3. ストッキング、または茶漉し
4. セロファン(コーン用、15cm×18cmくらいの長方形が使いやすいです)
肌に描く2日前にパッチテストをする
これからご紹介するメヘンディのやり方は、植物100%のヘナと水しか使用しません。
ただし、花粉症の方がいるようにヘナでアレルギーが出る方も稀にいらっしゃいますので、安心して楽しんでいただけるよう事前にパッチテストを行ってください。
【パッチテストの方法】
1. 小さじ1のヘナを小さじ1の水で溶きます。
2. 腕の内側に10円玉大のヘナをうすく塗り、自然乾燥させます。
3. ヘナを塗って30分後、48時間後に異常がないか観察し、48時間後に異常がなければメヘンディを始めましょう!
※ 使用2日前に実施してください。
※ かぶれ、痒みなどが出た場合は直ちに洗い流し、使用をお控えください。
※ パッチテストで反応が無くても、ごく稀にアレルギー反応が出る場合があります。
ペーストの作り方
ヘナパウダーを濾す
ヘナパウダーをストッキングや茶漉しを使って濾します。ヘナパウダーを濾すことでダマが無くなったり、稀に含まれる葉の繊維を取り除くことができるので、よりなめらかなペーストを作ることができます。
なめらかなペーストを作ることが描きやすさに繋がりますので、面倒に感じるかもしれませんがとても大事な工程です。
※画像ではミニしゃもじを使って濾していますが、スプーンでOKです。
水を加えて混ぜる
濾したヘナパウダーに水を加え、ペーストがなめらかになるまで混ぜます。
ペーストの固さを確認する
よく混ぜたら一度ペーストの固さを確認しましょう。
ペーストの固さは、ペーストをスプーンですくい、スプーンから落ちる速さが4~5秒くらいを目安にしてください。
固さが分からない場合は少し固めに作り、コーンに詰める前に調整しましょう!
(この時点でペーストが緩めの場合、次の工程の寝かせた後は更に緩いペーストになりますので、ヘナパウダーを少し追加することをおすすめします)
ラップをして寝かせる
空気が入るように軽くラップをかぶせて半日~丸1日くらい寝かせます。
寝かせることによって、ヘナパウダーと水がなじみ、よりなめらかなペーストになります。
固さを調整したらペーストが完成
コーンに詰める前に再びよく混ぜ、少し固めに感じたら水を少量ずつ加えて微調整してください。ペーストが完成したらコーンを作り、詰めていきます。
コーンの作り方
セロファンを用意して巻く
ラッピング用のセロファンや、OPP袋を使いやすい大きさにカットしたら、中央を起点にして巻き始めます。
15cm×18cmくらいの長方形が使いやすいですが、細長いコーンのほうが使いやすい方、太くて短めのコーンのほうが使いやすい方など、人それぞれ好みがありますので今回ご紹介する内容は基本として覚えていただき、何度か試していく中で自分が使いやすいコーンを見つけてくださいね。
円錐になるように巻いていく
巻き始めの先端を押さえながら、円錐になるように巻きます。この時、クレープや手巻き寿司を巻いていくイメージをすると分かりやすいと思います。巻き終わり、先端が大きく開いていないことを確認したらテープで留めます。
ペーストを詰めてテープで留める
完成したペーストを詰めましょう。
ペーストを詰めすぎると、口を閉じる時にペーストが出てきてしまいますので、詰めすぎないように注意してください。
ペーストが出ないよう口はテープで留めます。テープはコーンからはみ出すように貼り(A)、はみ出した部分を折り込んでしっかり留めます(B)。
持ちやすい形に整える
コーンの上の部が余っているので、上からくるくると折り込み、テープで留めます。テープで留めた時に左右に出っ張っている部分(C)がありますので、そちらを内側(上)に折り込み、再びテープで留めたらコーンの完成です!
描く時のポイント、コツ
先端を細く切りすぎない
細い線で描きたい場合、先端を細く切ろうとすると思いますが、細く切り過ぎることが詰まりの原因になってしまうことも…。まずはコーンの先端を切り、ティッシュの上などでペーストを絞り出してみましょう。コーンの先端からペーストがなめらかに出続けることができる太さを基準に調整してください。
※途中で詰まってしまう場合は、先端がまだ細い可能性がありますのでもう少し切りましょう。
描く時は手首を支点にすると描きやすい
描く時に支点が定まっていないと、ぶれてしまい描きづらくなりますので、手首を支点にして描くと描きやすくなります。
先端を肌に押し付けない
一般的に、描く=押し付ける・擦るイメージだと思いますが、コーンは先端が細くデリケートなため、押し付けるように描くと先端が潰れてしまい、詰まりの原因になりますので注意しましょう。(軽く触れるくらいは問題ありません)
ペーストが詰まったら…
詰まった時にコーンの先端をぎゅっと絞って詰まりを解消しようとすると、先端が潰れてしまい、余計詰まりやすくなります。先端の少し上を押して詰まっているペーストを押し出すか、先端を少し切ってみてください。
切り過ぎてしまった場合は、もう一度コーンを作り、ペーストを詰め直すことをおすすめします。
楽しみながら描くことが一番大切です!
メヘンディをする時に大切なことは「楽しみながら描くこと」だと思います。
最初から上手に描ける人はいません。楽しみながら描いていると「少しずつ安定した線が描けるようになってきた」「前よりも上手に模様を描けるようになった」と自然と上達していきます。
「絵心がないから…」「絵を描くのは苦手」という方も、ペンや筆ではなくコーンだと描ける!という方もいますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
描き終えたら
2~3時間以上はペーストを付けておく
描き終えたら乾かし、最低2~3時間以上はペーストを付けたままにしましょう。ペーストが肌に付いている時間が長いほうが濃く染まりますので、無理のない範囲で長く付けておきましょう。
※長く置く時は保護テープなどを使って上からカバーした状態の方が長い時間ペーストを肌の上でキープすることができます。「あると便利なアイテム」でおすすめのアイテムをご紹介します。
ペーストを落とす時、落とした後のポイントと注意点
ペーストを落とす時は、水で洗い落とさず、指や爪で落としましょう。乾いたペーストは指や爪で触れるとポロポロ落とすことができます。
ペーストを全て落とした後は、半日~1日くらいかけて肌に色が定着していくと言われているため、その間に石鹸で洗ったり、湯船に付けたりすると染まりの色が薄くなりますのでご注意ください。
残ったペーストは2~3日を目安に使い切りましょう
ペーストが余った場合は2~3日を目安に使い切りましょう。ヘナと水だけで作っているため、時間が経つにつれてペーストは劣化し、染色力も落ちていきますので早めに使い切りましょう。
あると便利なアイテム
目が細かく使いやすい茶漉し
ヘナパウダーを濾す時は出来るだけ目の細かいものを使った方が、よりなめらかなペーストを作ることができます。ストッキングは目が細かいのでおすすめですが、濾す時に器から外れないように固定する手間がかかったりするので、使いやすさも選ぶ時のポイントにしましょう。
メヘンディが好きなナイアードのスタッフは、メッシュ部分がポリエステルの茶漉しが、目が細かくて使いやすいため愛用しています。
防水フィルム
描き終えた後の待ち時間にペーストが剥がれ落ちるのを防ぐためにおすすめなのは「防水フィルム」です。ドラッグストアなどで販売している医療用の保護テープで、防水加工なのでテープを貼った状態なら水仕事やシャワーを浴びたりしても問題ありません。長時間ペーストをキープしたい方はあると便利でおすすめです。
ナイアードのヘナでメヘンディをするなら
ヘナ100%がおすすめ!
メヘンディをするなら、「ヘナ100%」がおすすめです。商品名のとおりヘナ以外のハーブは入っていないヘナだけの商品です。「ヘナ+ハーブ」も「ヘナ100%」と同じで赤茶に染め上げますが、トリートメント目的で配合しているハーブには染色力がないため、シンプルなヘナ100%でお試しください。
木藍入りのヘナを使いたい場合
ヘナ+木藍シリーズでメヘンディをすることはできますが、試してみた結果、個人差はありますがヘナ100%よりも青っぽい色に染まりましたが、全体的に色が薄く、消えるのも早かったです。
本来、メヘンディはヘナを使って赤~赤茶に染めるものなので、おすすめはヘナ100%ですが、気になる方はヘナ+木藍シリーズでもお試しくださいね。